オリンピック日本公式服装に見る配色の印象戦略
皆様、こんにちは。
国際イメージコンサルタント・印象学者Ako Magnoです。
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先日、東京五輪の開会式が行われ、オリンピック恒例の代表選手団公式服装のファッションチェックが話題となっていましたね。
今回の日本代表選手団公式服装を担当したのはスーツ専門店AOKI。
日本の国旗を連想させる紅白のシンプルなデザイン。
1964年の前回東京大会から進化しておらずダサいといった声も出ていましたが、大きく変わらないというのはブランディング観点ではプラスになることもあります。
というのも、ブランディングはどこから切り取っても常に「らしさ」をキープし一定の印象を残すのが一つの目的の為。
マンネリってネガティブに捉える人が多いのですが、プラスにもなることもあるのです。
というわけで、国旗を連想させる紅白は効果的ですね。
ちなみに、1964年の公式服装はリオ五輪(写真左)の時と同じくジャケットが赤でボトムスが白。
今回(写真右)はジャケットが白でボトムスが赤と上下が反転しています。
同じような配色に見えますが、実は同じ二色配色でも可視化できる印象は全く違うので、私にはとってはこの二つのデザインは全くの別物。
配色効果の例として、私がセミナーなどでよくご紹介するのがキャンベルスープの缶デザイン。
偶然にも日本の公式衣装と同じく紅白デザインなんですよね。ちなみに本物はどちらか分かりますか?
人間の目は自然界の法則を見慣れている為、重い色を下に置くと重心が下になり安定感を感じますが、デザインとしては単調になりやすいのです。
その為、キャンベル缶のように重い色を敢えて上に置くと、動きが出て面白みのあるデザインになります。
ちなみに重い色というのは白黒コピーした時に暗い方と捉えると分かりやすいですね。
1964年東京やリオの公式服装はキャンベル缶と同じこのパターンでした。
じゃあ下に重い色を置く配色は間違いかというとそんなことはないのです。
むしろ人間の目に見慣れた配色というのは安定感があるので、バランスが取りやすくなるというメリットがあり、特に日本人の体型だとこの組み合わせの方がスタイルが良く見える人が多いのです。
今回の東京五輪の公式服装はこちらのパターンですね。
そう聞くと、じゃあどっちの方が良いの?と思う方も多いと思いますが、実は優劣はありません。
なぜなら可視化したい印象によってベストな選択は異なる為。
例えば紅白の白が黒になったり、赤が青になったりしてもイメージは大きく変わります。
というわけで、一般の方が思う以上に色の世界は奥深く、だからこそ、それを専門に扱う私達プロが居るのです。
私達イメージコンサルタントは単なる似合う色のご提案ではなく、あなたの理想の印象を「可視化」する為、ゴールから逆算したスタイリング提案をしています。
ゴール設定から二人三脚で進めるので、自分でどうなりたいのか分からないという方でも安心。
ご興味をお持ちの方は、お気軽にご相談下さいませ。
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2008年米国フロリダ州にてAICI(国際イメージコンサルタント協会)認定FLC資格を取得し、東京・目黒にエミュ・デザイン(MAIC)を設立。女性専門のイメージコンサルティングを開始。「あなたはあなたらしく。私はワタシらしく。」をテーマに表面的に外見を繕う「美」の追求ではなく、個性を「可視化」するイメージコンサルティングを提供中。個人向けサービスの予約は常時2~3ヶ月待ち。多くの芸能人や著名人からも人気を得ている。