チップの渡し方とマナー

 皆様、こんにちは。国際イメージコンサルタント・印象学者のakoです。
日本人が海外で頭を悩ませる習慣と言えば「チップ」!
「いくら位渡せば良いのか。」「どんな場面で渡せば良いのか。」
海外慣れしている方でも、日本人はどうしても迷ってしまう習慣ですよね。

「チップは気持ちで払うもの」「サービスに対する感謝の気持ちを表したもの」
なんて言われたりしますが、その気持ちが「どの程度、どこで適用されるべきなのか」、
そこが分からないからこそ、私たち日本人は悩むんですよね~。
「その”気持ち”の先をどうしたら良いかが知りたい!」みたいな。笑

チップというと欧米の習慣だと思われている方も多いですが、
ここフィリピンもチップの習慣がある国なんです。

伝統的にはフィリピンにチップの文化はないと言われていますが、
アメリカの植民地であった歴史や、現在もアメリカ人が多く住んでいたり訪れることもあり、
特にマニラのホテルや高級レストラン、タクシーではチップを払うのが習慣になっています。

といってもチップ大国アメリカと違って、もう少し緩やかなのがフィリピン流。
少なくともアメリカのようにチップが支払われることを前提とした給与体系ではないですから、
チップを払うのが半ば強制的という雰囲気では決してないです。

貧富の差が激しい国なので、そもそもチップと同額くらいで食事ができるお店だってありますから、
そういうカジュアルな食堂のような場所ではもちろんチップは不要です。

ただローカルなお店やカジュアルなお店であればチップは必要ないのですが、
日本人が観光で来るくらいのお店の場合(=ローカルではないし、そこそこ高級)、
基本的にはチップを払う習慣のある場所だと判断して良いかもしれません。

といっても便利なのが、フィリピンの場合チップが必要と思われるような高級店になると、
通常サービス料が加算されて請求されることがほとんどなのです。

チップが必要と思われるお店でサービス料が含まれておらず、
飲食代の10%を加算して支払うというお店の方がレアだと思います。
というわけで観光で辿り着くようなお店は、たいていサービス料が取られると思います。

ガイドブックや旅行案内サイトなどに「サービス料が含まれている場合にはチップは不要。」
と掲載されているように、サービス料が含まれていればチップはなしでも問題はありません。
ただ、実際はサービス料が含まれていてもフィリピンでは少額のチップを置いていく人も多いです。

というとチップに慣れない日本人には二重に払っているような気がするかもしれませんが、
感覚としては、基本的にサービス料はお店のオーナーに払っているもの、
チップはウェイター・ウェイトレス個人に払っているものと考えると受け入れやすいかと思います。

きちんとした会社だと、サービス料もスタッフに均等に分配されているようですが、
正社員だけに限定されていたり、オーナーの取り分になっている場合もあるそうで、
サービスを担当してくれた人には渡らない可能性もあります。

でもサービス料を払っている時点で「義務」は果たしているわけなので、
フィリピンのチップは、本当にサービスを担当してくれた人への「気持ち」で良いのです。
だから対応が悪かったり、何か不満があれば、もちろんチップは不要です。

アメリカでよく聞く笑い話のように、チップの金額が低すぎるからといって追いかけられる、
みたいなこともないですし、対応が悪くても10%は最低でも・・・みたいな雰囲気もありません。

ただフィリピンで高級なお店を利用するような人達の場合は、だいたいチップを置いています。
私も理由がない限りは、少額でもチップを置いていきます。

ちなみに、その「少額」がいくらなのかが一番必要な情報ですよね~。
あまりに大きな額になるのもおかしいけど、少額すぎてもなんか恥ずかしいし、
日本人にはその頃合いが・・・・だと思うので、具体的にフィリピンでの例を挙げておきますね。

夫や現地の友人から聞いたデータを参考に、私自身が基準にしている内容をまとめたので、
今後フィリピンにいらっしゃる方は、良かったら参考にして頂ければと思います。

<レストラン>
・ホテルなどの高級店: 100ペソ(約260円=約2米ドル)
・日本の8割くらいの価格設定のレストラン: 50ペソ(約130円=約1米ドル)
・カジュアルなレストラン、日本でいうファミレスクラス: 20ペソ(約50円)
・ファーストフード、フードコート、セルフサービスのお店: 不要

<タクシー>
・通常時: 端数分を切り捨て(43ペソなら50ペソ払い、おつりの7ペソを置いていく)
・長距離、ラッシュ時、天候不良時など: 20~50ペソ(約50円~130円)
※地方のタクシーの場合、チップの文化がなくおつりも全額返ってくることもあります。

<ホテル>
・ポーターやベッドメイキング: 20ペソ~50ペソ(約50円~130円)
※日本の旅行案内には、ポーターには荷物一つにつき10ペソとあったりしますが、
実は私の周囲は50ペソという声が多く、ポーターがいるランクのホテルと考えると、
個数に限らず「最低ライン」が20ペソと思っていて良いと思います。

というわけで、一般的な場面でのフィリピンの「チップ」は基本的に20ペソから100ペソの間。
100ペソ=約2米ドルですから、東南アジアなのに本当にそんなに必要なの?
と思われる方もいるかもしれません。

フィリピンの場合、貧富の差というのがやはりポイントなのだと思います。
チップが必要とされるようなお店やホテルには、お金を持っている人しか行かないのです。

その為、宿泊費や飲食代がそれなりになるお店となると、
やはりチップも日本人が期待するようなフィリピン価格ではなく、
そこそこの水準の額が払われていると考えると受け入れやすいと思います。

でもアメリカと違ってチップは労働者の生活がかかっているものではないこ
とを考えると、
基本的にチップの額に関して面と向かって文句は言われないと思います。

ただ相手にも恥ずかしい思いをさせず、こちら側も恥ずかしい思いをしない範囲となると、
上記のように20~100ペソの間で大抵は解決するというというのが私の感覚です。
というわけで、フィリピンにいらっしゃる場合には是非参考になさって下さいね。

ちなみに、来年2015年1月17日(土)18日(日)開催予定の
国際マナー・コミュニケーションアドバイザーコースでは、
日本人が苦手とするこんなチップに関する習慣についてもお話します。

適当とされるチップの額は国や利用先によって当然違いますが、
チップの額で迷ったときに参考になる最低金額設定の目安や、チップを渡すタイミング、
スマートな渡し方など、日本人が迷いがちな点についても併せてご紹介して参ります。
講座にご興味をお持ちの方は、是非ウェブサイトもご覧下さいませ。

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