満足度の高いプロのサービス

そしていよいよデザートの時間。

元々はお誕生日の為に設定した食事ではなく、完全に私がサプライズで手配をしていた為、友人もこの演出にはすごく喜んでくれました。

でもそこで私が不思議に思ったのは、なぜスタッフの方は私たち二人のうち私ではなく彼女が誕生日だと分かったかということ。

私は彼女と二人でお店に到着した為、どちらが誕生日の彼女か伝える機会がなかったんです。なので、デザートが運ばれた時点で合図をするつもりでいました。

でも、オルゴールの登場に私自身もビックリしていたら、私が合図をする間もなく、ちゃんと友人の前にプレートが運ばれて来たんですよ。

最初は私たちの会話を聞いて分かったのかなぁと思ったのですが、お店に入ってから席に着くまでのことを思い返してみたら、そのテクニックが判明したんです！

実は、私と友人が二人でお店に入り、「予約しておりましたタカタです。」と私が言った時、お店の方が私の方を手で示しながら「アキコ様でいらっしゃいますね。」と聞いていたんです。

もし私たちが姉妹だったら二人とも「タカタ」かもしれないですよね。だから敢えて、私の方をわざわざ示しながら「アキコ様ですね。」と聞いたのだと気づきました。

この方法で下の名前を確認したら、どちらが手配をした「タカタアキコ」かが確認できるので、彼女が誕生日をお祝いされる側ということが分かったのでしょう。

この気の利いた接客術にも友人と二人で感動し、更に私も知らなかったオルゴールでの演出までしてくれて、久々に嬉しい接客に出会いました。

私は、レストランでおいしいものが出てくるのは、当然だと思っています。丁寧な接客をして頂くのも当然だと思っています。

それはお金を払っているので、それは期待値として当たり前のレベルではないでしょうか。

その期待値を超え、予想外のことをしてくれた時に、初めて人は満足！と感じますよね。

マナー講師として、様々な企業で接遇指導をさせて頂いておりますが、改めて型を覚える表面上のマナーではなく、工夫が感じられるサービスの大切さを伝えて行きたいと感じました。

満足度は社名やブランド名ではなくて、スタッフ一人一人が作るもの。

ビジネスクラスのホテルだと思ってあまり期待していなかったのですが、（申し訳ないです！）接客して下さるタイミングも距離感も非常に心地よくて、見事に期待を裏切られ、素晴らしいサービスに感動し、この記事を書かせて頂きました。